「最近仕事で電子書籍を作ってるんですよ~」と言うと
「そうなんだ。難しそう」って言われることが多いです。
実はそんなに難しくないんだけどな、と思いながら
「そうですか? でも電子書籍って中身はHTMLですよ?」と言うと
大抵「えっ、そうなの!?」と驚かれます。
周りの友人・知人には昔個人サイトを作ったことがあったりブログで文字修飾をするのに使ったりでちょっとしたHTMLタグくらいなら書けるという人が多いため、「実は中身はHTML」と聞くと途端に身近に感じる人が多いようです。
(読んでくださっているあなたはどうでしょうか)
<br />って書けば改行しますからね?
文字の色や大きさを変えるのはcssでやってるんですからね?
ほら、なんだか身近になってきませんか?
電子書籍はXTMLと素材を圧縮したもの
とっつきやすくするために「HTML」と書きましたが、正しくは「XHTML(Extensible HyperText Markup Language)」です。
XHTMLって何かというと、「XMLの文法で定義しなおしたHTML」……と書くと難しそうですが、要は「書式が厳格に厳密になったHTML」です。
XHTMLのX(Extensible)って、Google先生に翻訳してもらうと「拡張可能」という意味ですが、色々な拡張性を持たせるためにきちっと決まった文法に厳密に従って書こうね、HTMLでは多少省略して書いてもOKだったところもちゃんと書こうね、ということです。
とまあ、色々と書きましたが、「厳密になったHTML」ということは元はHTMLなわけですから、見た目はほとんどHTMLと変わりません。
多彩な環境で閲覧できる
よくよく考えてみれば、色々なブラウザ・人によって違うPC環境などさまざまな状況でWebサイトを閲覧できるように作れるHTMLと、
無数にある電子書籍リーダー、さらにはPC/スマホなどユーザーがどんな環境で見るか分からない電子書籍では
非常に相性がいいように思われます。
電子書籍の構造を知らなかった頃の私は(なまじ昔開発業務をしていたのもあって)
端末自体の違い・OSのバージョン・画面解像度とか考えたら各機種でちゃんと動くように作るの大変そうだな~と漠然と思っていましたが、
そうか!HTMLで作ればいいんだ! というのは目からウロコでした。
目次や注釈などをタップすると該当箇所へ遷移するのも、Webサイトのリンクと同じだと考えるとしっくりきます。
素材をまとめてZIPで圧縮
現在一番広く使用されている電子書籍の形式は「EPUB」というものですが、これ実は必要な素材を決められたフォルダ構造に従って配置してZIP圧縮したものです。
そう、みんながいつもファイルの容量を少なくするために使っているあのZIP圧縮です。
もしEPUBファイルを入手する機会があったらいつもZIPを解凍している圧縮ソフトで解凍してみてください。普通に解凍して中身の構造を見ることができます。
難しそうに見えた電子書籍は、「HTML」「ZIP圧縮」など、馴染みのある技術でできていたのです。
もちろん定義ファイルなどが必要ですから、XHTMLを書いてZIP圧縮すればすぐ電子書籍リーダーで見ることができるというわけではありませんけどね。
以上、ちょっとだけ電子書籍を身近に感じてもらうためのお話でした。