2000年に容器包装リサイクル法(容リ法)が完全施行され、プラスチック製容器包装を他のゴミとは分けて出すことになりました。
私の住んでいる地域ではプラスチック製容器包装の回収は週1回なので、「プラの日」「プラごみの日」などと呼んでいます。
そんな呼び方をするからか、プラスチック製容器包装の回収日を「プラスチックでできたゴミならなんでもこの日にだせばいい日」もしくは「プラスチックでできたものはこの日にださないといけない日」と誤解している人もいる様子。(実際うちの父がそうでした)
違うんです!
プラスチック製品を捨てるときは基本的にもえるゴミ(家庭ごみ)の日に出します。
あんまり燃やしたことのある人はいないかもしれませんが、あいつら燃えるんです!
プラの日、ことプラスチック製容器包装の回収日に出すのは、容器包装、つまりパッケージや袋などの外側の部分のみ。中に入っている商品そのものはたとえ同じ材質でできていてもプラスチック製容器包装の回収日に出してはいけないのです。
つまり、キッチンで使うビニール袋100枚入りくらいのやつを買ってきたとして、
・一番外側のビニール袋(商品の包装)はプラスチック製容器包装の回収日に捨てる
・中に入っているビニール袋(買ってきた商品)は燃えるゴミの日に捨てる
ということになります。
コンビニ弁当についてきたプラスチックのスプーンやフォークの袋は容器包装ですが、中身のスプーンやフォーク自体は燃えるゴミです。
コンビニ弁当にかかっているラップは容器包装ですが、自分で買ってきて手料理にかけたラップは燃えるゴミです。
めんどくさいですね~、ややこしいですね~。
なぜこんなことになっているのかを次から説明します。
なぜ「プラスチックでできたゴミ」と「プラスチック容器包装」を分けるのか
リサイクルするにはお金がかかる
そもそもプラスチック製容器包装だけを分別して回収するようになったのはリサイクルをするためです。
容リ法の施行前はプラスチック製容器包装が一般廃棄物のうち約60%の容量を占めており、問題となっていました。この問題を解決するために、容リ法が制定・施行されたのです。
リサイクルって実はとてもお金がかかります。
コピー用紙でも、普通の紙より再生紙のほうが高かったりしますよね。あれはリサイクルするのにコストがかかっているからです。
で、プラスチック製容器包装をリサイクルするためのお金を誰が負担しているのかというと、容器の中身の商品や包装自体を作ったり販売したりしている人達です(特定事業者といいます)。
容リ法では特定事業者にリサイクルの義務が課せられているので、自力でリサイクルを行えない事業者はリサイクル代行業者に委託料金を払って間接的にコストを負担しています。回収されたプラスチック製容器包装はこのリサイクル代行業者に持ち込まれてリサイクルされるわけです。
プラスチック製品はお金を負担する人がいない
このようにプラスチック製容器包装は法に基づいて特定事業者が費用を負担しているので回収してリサイクルすることができるのですが、同じ材質でできていてもただのプラスチック製品には現状そういった法律がありません。
もし各自治体で独自にリサイクルしようとするなら、多額の税金が必要になります。なかなかホイホイ出せるものでもなさそうです。
そんなわけで、「プラスチック製容器包装は包んでる商品を作った人や売った人が費用を負担してるからリサイクルできるので特別に分けて出してほしいけど、それ以外のプラスチック製品は材質は同じでも費用を負担する人がいなくてリサイクルできないので今までどおり燃えるゴミと一緒に出してね~(燃やしちゃうよ~)」ということになっているのです。
う~ん、めんどくさいけどリサイクルできないなら仕方ないですね。。。
ちなみに横浜市などではプラスチック製品についても事業者がリサイクル費用を負担するよう法整備を求めているそうです。
参考:
横浜市 資源循環局 なぜプラスチック製容器包装を分けるのですか?