「美白化粧品」と聞いて、どんな効果を思い浮かべますか?
地黒で悩んでいる人が白い肌になる?
肌のシミを消すことができる?
なるほど。そういう効果のある美白化粧品も中にはあるでしょう。
しかし!
美白化粧品をならばどれでも上記のような効果が得られると思ったら大間違い。
一口に「美白化粧品」といっても、含まれる成分によって効果は全く違うのです。
たとえばここに、私が先日脱毛サロンで「肌の色が濃いと光脱毛の効果が少なくなって回数が多くかかるのでもったいないですよ」と勧められて買った某美白美容液があります。
これを例にとって見てみましょう。
美容液のパッケージの成分表示を見てみると、「有効成分:アルブチン、L-アスコルビン酸 2-グルコシド」と書いてあります。これらはどういった効果のある成分なのでしょうか。
アルブチン
アルブチンはチロシナーゼという酵素の働きを阻害し、肌の黒さのもとになるメラニン色素の生成を抑えます。肌を黒くなりにくくするんですね。
紫外線を浴びてしまった後でも、メラニンがチロシナーゼによって黒色化する前に使用すれば効果があると言われています。
アルブチンにはα-アルブチンとβ-アルブチンの2種類があり、効果も価格も高いです。
αを使っているならば「α-アルブチン配合!」などと大々的に書くでしょうから、ただ単に「アルブチン」と書いてあったらβの方でしょう。
私が購入した美容液にも「アルブチン」としか書いていないので、おそらくβアルブチンですね。
L-アスコルビン酸 2-グルコシド
L-アスコルビン酸 2-グルコシドはビタミンC誘導体の一種で、ビタミンCとグルコースを結びつけて安定させたものです。
ビタミンCには他の物質を酸化から守る抗酸化作用がありますが、とても不安定でこわれやすく、そのまま化粧品に配合しても効果を発揮できません。そこで、他の物質と結びつけてこわれにくくしたのがビタミンC誘導体です。
L-アスコルビン酸 2-グルコシドもアルブチンと同じく、メラニンの生成を抑制する効果があると言われています。
結局肌を白くするのはターンオーバー頼み
ここまで読んでいただいて既にお気づきかと思いますが、アルブチンもL-アスコルビン酸 2-グルコシドも今以上に肌が黒くなったりシミができるのを防ぐだけで、肌を白くする効果があるわけではないのです。
でも、ちょっと待ってください。
「美白化粧品を使って肌が白くなったよ!」という人もいるでしょうし、もし全く肌を白くすることができないのならば今頃化粧品メーカーは苦情の嵐でしょう。
白くならないわけではないのです。
美白化粧品を使って肌が白くなるのは、美白化粧品がメラニンの生成を抑えている間に肌のターンオーバーにより少しずつメラニンで黒ずんだ皮膚が排出されていくからです。
肌のターンオーバー(表皮の生まれ変わり)の周期は一般的に28日〜40日程度と言われており、新しく生まれた細胞が肌の表面で垢となって剥がれ落ちるまでにこのくらいの日数がかかります。
表面の黒ずんだ皮膚が剥がれ落ちる際にメラニン色素も排出されます。日焼けした肌がほうっておくと元の色に戻るのはこのためです。
美白化粧品がしているのは、このターンオーバーでメラニン色素が排出されるまでに後から後からどんどんメラニン色素が増えてしまって排出が追いつかなくならないように抑えておくことだけです。
だから、美白化粧品はターンオーバーでメラニン色素が排出されるまで使い続けなくては意味がありません。
「よく使い忘れちゃうけど、たまにでも使っていれば少しずつ白くなるでしょ〜」と思っていても、サボっている間にメラニン色素が増えてしまって全く効果がないように見えてしまう、ということもありうるわけです。
もちろん直接白くする美白化粧品もある
冒頭でちらっと触れたように、肌を白くすることのできる効果のある美白化粧品もあります。
でも、要は肌を漂白するわけですから、とても刺激が強いです。
安易に使うとシミは消えても炎症が起こったり白斑になってしまったりする可能性があるので、もし使用するなら細心の注意が必要です。
低いリスクで安全に肌を白くするならば、メラニン抑制系の美白化粧品を数ヶ月単位で地道に使い続けたほうがよさそうですね。
ちなみに、私が購入した某美白美容液ですが、私がずぼらで毎日使い続けることができなかったため、ほとんど効果は見られませんでした。
そらそーよ。