接客業・サービス業の方は
「私はお客様だぞ!お客様は神様だぞ!」と
名乗る客に遭遇したことはございますでしょうか。
初対面の自己紹介で「私は神です」と名乗られたり
インターホンに対応したらモニターの向こうで「こんにちは、神ですが」と名乗られたりしたら
ちょっと関わり合いになるのをご遠慮申し上げたいレベルですが、
自分が客という立場になると自ら神を名乗る輩がいるらしいのです。
発端は三波春夫さんの言葉
このアイアムゴッド発言は、昭和に活躍した歌手 三波春夫さんの「お客様は神様です」という台詞が元になっていると思われます。
しかし、三波さんは「ステージに足を運んでくださるお客様を神様だと思い、その前で祈りを捧げるように敬虔な気持ちで舞台に上がる」という意味でこの言葉を言ったのであって、いわば舞台に上がる上での心構えを語ったわけです。
それを表面上だけ見聞きして曲解したか、自分の都合のいいように利用する人たちが「私は客なのだから神様だ(だから言うことをきけ)」と我が物顔でふるまっているわけです。
「あなたは神様ではありません」
三波さんが2001年に亡くなってからもう17年になります。
「お客様は神様です」という元の台詞を知らない世代も増えてきているでしょう。
うそかほんとか分かりませんが「私は神だ」と名乗った勘違いクレーマーに若いアルバイトが「いえ、あなたは神様ではないでしょう」と返したという話もネット上で見かけました。
しかし、笑い話ではなく実際に神様ではないのですから、結果的にこのアルバイトは正しいことを指摘したことになります。
三波春夫さんが祈りを捧げた「神様」は「コンサートステージに足を運んでくれる聴衆」のことであって、「難癖をつけて無理を通そうとする不届き者」ではないのですから。
昨今はサービス提供側も面倒なことになるのを恐れてかクレーマーに対して強く出られない空気があるように感じます。しかしそれでは勘違いクレーマーを増長させるだけでしょう。
いつか「いいえ、あなたは神様ではありません」と普通に言える世の中になればいいなと切に願います。
三波春夫さんサイドでも「お客様は神様です」という言葉がクレーマーの格好の言い訳になってしまっていることを認識しているようで、公式サイトに経緯が詳しく記載されています。
よほど曲解して悪用する人が多かったのでしょうね。
■三波春夫オフィシャルサイト