びびび備忘録

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目の見えない子猫とまわりの猫達の話

しーちゃんの写真
よく行く保護猫カフェに目の見えない子猫がいます。

名前をしーちゃんといいます。海(sea)の日に保護されたので。

 

しーちゃんは保護されたときにはもう炎症で両目とも見えなくなっていました。どうしてひとりぼっちで外にいたのかは分かりません。

 

目の見えない子猫が保護されたと聞いたとき、正直不安でもありました。

保護猫カフェにいる他の猫たちとうまくやっていけるのか。

私が彼女(しーちゃんは女の子です)と会ったら、どう接したらいいのか。

 

 

猫もなんとなく察する

結論からいうと、全く心配することはありませんでした。スタッフさんに聞いた話では、他の猫たちもなんとなくしーちゃんの目が見えていないことは察している様子だそうです。

 

しーちゃんが歩いているときに他の猫にぶつかってしまっても、みんなさほど目くじらをたてることはありません。なわばり意識が強く割とすぐ猫パンチを繰り出す子でも、いつもよりソフトパンチです。

 

しーちゃんが遊びにエキサイトして思いっきり体当たりしてしまったときやおもちゃと間違えて他の猫のしっぽをかじってしまったときなどは、それなりの教育的指導が飛びます。でも、これは他の子猫に対しても同じです。

 

しーちゃんの目が見えないことは受け入れつつ、だからといって甘やかすでもなく、自然体で接しているように感じました。

 

おニューの爪とぎを占拠してご満悦のしーちゃん

子猫も察する

カフェにはしーちゃんよりも少しだけ月齢が上と思われる子猫たちもいます。子猫たちもしーちゃんの目が見えていないことはなんとなく察しているようで、しーちゃんと遊ぶときは手加減していたり「こっちだよ」と教えるように前足でちょんちょんとつっついたりしています。

 

対するしーちゃんは本人(猫)の天真爛漫な性格や元気がありあまっているのもあって、遊んでもらえそうだとわかると全力でかかっていきます。最初からクライマックスです。子猫たちの写真を撮ったら、しーちゃんだけめちゃくちゃブレていることもあったとか。

 

しーちゃんが激しすぎて他の子猫たちは若干引き気味のときもあるのですが、そこは子猫なりに折り合いをつけているようです。付き合いきれないと思ったときはしーちゃんを放ってフイっとよそへ行ってしまいますし、付き合ってやってもいい気分のときは一緒に遊んでいます。猫らしい行動ですね。

 

しーちゃんが猫プロレスでエキサイトして手がつけられない時は、ヘッドロックをかけてしーちゃんを思う存分暴れさせておき、自分はそのまま休憩するという省エネなしーちゃんあやしを編み出した子もいます。子猫もそれぞれ自然体でしーちゃんと接しています。いじめたり仲間はずれにする様子は見られません。

 

遊び疲れてちょっと休憩するしーちゃん

しーちゃんと人間

私がはじめてしーちゃんに会ったとき、しーちゃんは店長の両手の平に少しあまるくらいの大きさでした。このブログに載せているのは最近の写真なので、今はもうだいぶ大きくなってきています。

 

「しーちゃん」と声をかけながら人差し指を差し出すと、確認するようにかぷかぷと甘噛みされたのを覚えています。どうもしーちゃんは目が見えないぶん口に入れて確認するくせがあるようで、今もとりあえずかじってみる傾向が見られます。

 

猫はクンクンと匂いをかいで確認しているのをよく見かけますが、しーちゃんがクンクンしているのを見たことがないです。においをかぐという発想自体がないのかも…? 他の猫がクンクンしているのを見る機会もないですしね。

 

小さい頃は甘噛みもまったく痛くない程度だったのですが、最近ではだいぶ力も強くなってきてちょっと痛いです。猫は他の猫とじゃれあいながら力加減をおぼえるというので、他の子猫たちとの猫プロレスを通して力加減をおぼえてくれるといいのですが。

 

猫は猫でうまくやっている

私が思っていたよりもずっと、猫たちは賢く、対人対猫関係をうまくやっていました。

 

と同時に、しーちゃんへの接し方の無理のなさも感じました。

相手をするのがめんどくさければ放置しますし、それに対して誰も責めることはありません。だけど決して、目が見えないことにつけこんでいじめたりはしません。

 

ただ”しーちゃん”という存在があるがままにすんなりと受け入れられている様子に、猫ってすごいなと思ったのです。