「格安SIM」や「SIMフリー」という言葉をよく目や耳にします。
なんとなく安くてお得な感じやスマートフォンに関する何かの用語なのだろうなということは分かりますが、そもそもこの「SIM」とは何なのでしょうか。
今さら聞けない基本的なところをまとめました。
SIMカードには携帯電話加入者の情報が入っている
SIMカード（シムカード）のSIMが何の略かというと、
Subscriber Identity Module Card
日本語訳すると
加入者識別カード
です。
カードとはいいますが、指先程度の大きさの小さなチップです。
この小さなカードの中には加入者の識別情報や電話番号などの情報が入っています。
これを携帯電話にセットすることによって、通話やインターネット通信ができるようになります。
スマートフォンだけのものではなくて、ガラケーにもSIMカードは入っているんですよ。
SIMカードは大抵バッテリーの奥か端末の側面などにあるスロットにセットされています。これを抜いてしまうとスマートフォンは通話ができなくなり、キャリア回線でのインターネット通信ができなくなります（Wi-Fiでのインターネット接続はできます）。ガラケーはSIMカードが入っていないと起動することができません。
前述のように電話番号の情報もこのカードに入っているので、SIMカードを別のものに入れ替えると端末の電話番号も変わります。
格安SIMとは？
docomoの携帯を使用している場合はdocomoが発行したSIMが、auの携帯を使用している場合はauが発行したSIMが携帯端末にセットされています。
同様に、一般的に三大キャリアとされるdocomo、au、Softbank以外の業者が発行している利用料金の安いSIMカードの通称が「格安SIM」です。この利用料金が安いSIMカードを携帯端末にセットすることで、安い料金で通信を行うことができます。
格安SIMのほとんどはMVNO（仮想移動体通信事業者）と呼ばれる他のキャリア（docomoやau）から通信網を借りてサービスを提供している事業者です。自社で通信網を用意するにはコストがかかるので、回線や設備の一部を借りて運用することでコストをおさえて料金を安くしているわけです。
格安SIMは利用料金が安くすみますが、キャリアのように手厚くサポートはしてくれないので、機械モノに弱い人は注意が必要です。
たとえば、今使っているSIMから格安SIMに切り替えるにはもちろん今入っているSIMカードを抜いて新しいSIMカードを入れ直さなければならないわけですが、大抵の格安SIM業者では新しいSIMカードが送られてきて「これを入れ替えて使ってね☆」と言われるだけです。
キャリアの窓口で機種変更をするときのように係の人が入れ替えてくれたりはしないのです。（※窓口を設けているMVNO事業者もあります）
SIMロックとかSIMフリーとかって？
先ほどdocomoの携帯にはdocomoのSIMが、auの携帯にはauのSIMが入っていると書きましたが、キャリアが販売している端末にはそのキャリアが発行したSIMしか認識しないようにしてあるものがあります。これがSIMロックがかかった状態です。
たとえば、SIMロックがかかったdocomoの携帯にauが発行したSIMを入れても認識されません。逆も同様です。
このロックをはずすのが「SIMロック解除」です。
現在はSIMロック解除が義務化されているので、色々条件はあれど基本的にはどの端末も携帯キャリアに申請すればロック解除できるはずです。
「SIMフリー」はSIMロックがかかっていない状態のことです。この状態ならばサイズさえ合っていればどこのSIMでも使用することができます。
（SIMカードには様々なサイズがあります）
格安SIMとSIMロックの関係
格安SIMに乗り換えるにあたって注意しなくてはならないのが、現在使っているスマートフォンにSIMロックがかかっている場合です。
SIMフリーの端末ならば利用できるSIMに制限はありませんが、SIMロックがかかっている場合は利用できないSIMがあります。
先ほどMVNO事業者は携帯キャリアの回線網を借りてサービス提供していると書きました。つまり、docomoの回線を借りている業者のSIMはauのSIMロックがかかった端末では使用することができません。逆も同様です。
現在使っているスマートフォンと乗り換えたい格安SIM業者の組み合わせによっては、SIMロック解除の手続きが必要になることがあるので注意が必要です。
乗り換えようと思っている格安SIM業者がどこの回線を借りているのか確認しておきましょう。
SIMカードとはスマートフォンやガラケーに入っている小さなチップのこと
ごくごく基本的なところをざっとまとめてみました。
普通に携帯電話を使っているだけだと自分でSIMカードを抜き差しすることもありませんし、見たことがない人も多いですよね。
私もスマホアプリのデバッグの仕事をするまで知りませんでした。
「へー、こんなチップが入ってるんだ〜」と思っていただけたなら幸いです。
