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フリーランスや自営業の人は特に気をつけたい、セルフメディケーション税制適用の条件と必要書類

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平成29年1月1日から始まった「セルフメディケーション税制」。対象となる医薬品の購入金額が12,000円を超えた場合、確定申告の際に所得控除を受けられる制度です。

 

平成29年の分の確定申告で控除申請をした方も、次の確定申告の時に控除してもらおうと思っている人も多いことでしょう。

 

しかしこのセルフメディケーション税制、控除を受けるためにはただ対象の医薬品を購入しただけではダメで、その他にも条件があるのをご存知でしょうか。

 

実はセルフメディケーション税制によって所得控除を受けるためには「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っていること」という条件があります。

 

「一定の取組」って何なのでしょう?

 

※この記事に記載されている内容は2018年3月時点のものです。

 

 控除を受けるには健康診断やがん検診、予防接種などのいずれかを受けている必要あり

 

セルフメディケーション税制による所得控除を受けるためには「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っていること」が必要です。

 

要は「普段から健康に気をつけてる人じゃないと所得控除してあげないよ」ということですね。ヌヌヌ…

 

健康に気をつけるといっても「毎朝乾布摩擦をしてる」だとか「手洗いうがいを欠かさない」だとかそういうのではなくて、お役所が定めている「一定の取組」というのを行っていなくてはいけません。

 

この「一定の取組」にあたるのは以下のものです。

 

1.保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】

2.市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】

3.予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】

4.勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】

5.特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

6.市町村が健康増進事業として実施するがん検診

(国税庁Webサイトより:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1129.htm

 

企業に雇用されている人は4の勤務先の定期健康診断を受けていればOKですが、フリーランスや自営業の人は各自でいずれかの健康診断やがん検診、予防接種などを受ける必要があります。(しかもこの検診を受けるための費用は控除対象ではないという…なんたる…)

 

ちなみに、1はあくまで健康保険組合や国保等が実施する人間ドックや検診なので、申請者が全額自己負担で任意に受診した検査や人間ドックは「一定の取組」に含まれません。

 

6もあくまで健康増進法第 19 条の2の規定に基づいて健康増進事業として実施されるがん検診なので、市町村の住民サービスとして対象の項目や年齢を拡大しているものは対象にはなりません。対象となるのは、上記の法律に基づいて行われる胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5項目の検診だけです。

 

検査や検診を受ける前に、それが「一定の取組」に含まれるのか確認しておく必要があります。

 

確定申告時に必要な書類

 

確定申告書の書き方についてはここでは割愛します。購入した医薬品の明細を控えておく必要があるのも、毎年確定申告を行っているフリーランスや自営業の方ならば分かると思うので詳しくは説明しません。

 

気をつけなくてはいけないのは、「一定の取組」を行ったことを証明する書類を確定申告書に添付または申告時に提示しなくてはいけないことです。

 

証明書類にあたるのは、領収書もしくは結果通知書です。予防接種の場合は、予防接種済み証を証明書類とすることもできます。結果通知書はコピー可で(その他書類はコピー不可)、検診結果の部分は黒塗りにしたり切り抜いたりして構いません。

 

書類には以下の事項が記載されている必要があります。

・氏名

・一定の取組を行った年

・保険者、事業者若しくは市町村の名称、又は医療機関の名称若しくは医師の氏名

 

領収書や結果通知書に上記の項目が記載されているか、きちんとチェックしておかないといけませんね。

 

意外と知られていない「一定の取組」

 

私自身、花粉症の薬を薬局で購入したときに「このマークがついている薬は12,000円以上買うと確定申告時に所得控除できるんだよ〜」と聞いただけのときには購入時の領収書や明細さえあれば控除してもらえるものだと思っていました。

 

まさかこんな条件があったとは…(ええ、フリーランスなもので受けていません)

 

セルフメディケーション税制の適用にあたってこの「一定の取組」が必要なことは意外と周知されていない気がしたので、今回こうしてまとめてみました。

同じような状況のフリーランスの皆様に少しは有用な情報と思っていただけたら幸いです。