キャラクターグッズの売り方のひとつに、どのキャラクターが出るか買って開封するまでわからない「ランダム販売」というのがあります。いわゆる「トレーディンググッズ」というやつです。
ランダムなのでもちろん自分の目当てのキャラクターが出ない場合もあります。そういう場合どうするかというと、出るまで買うか、そのキャラを出した人に交換してもらうかです。
現金を払うか労力を払うかなわけですが、どっちにしてもいい加減しんどくなってきました。
交換してもらうのも楽じゃない
交換相手を探す場合、もっとも原始的な方法としては「○○さがしてます。当方△△所持」みたいな看板をかかげて現地で待機するというのがあります。会場限定グッズなんかだとよく見る光景です。親切な運営だと交換場所を用意してくれる場合もありますが、逆に「ここで溜まらないでください」と追い払われることもあります。トレーディンググッズ売っておいてそりゃねえよって感じですが。
TwitterなどのSNSで交換相手を探す場合もあります。
「【交換】○○○ トレーディングフィギュア
譲)△△△、■■■、×××
求)◎◎◎(キャラ名)
郵送、または都内手渡し」
みたいなやつです。
すぐ交換相手が見つかればいいのですが、そうは限りません。自分が探しているのが人気キャラならばライバルも多いため見つかりづらくなります。旬ジャンルで交換相手を探している人が多ければマッチングしやすいですが、そもそも市場自体が小さいジャンルもあります。
交換相手が見つかるまでに数日、数週間かかる場合もあります(あきらめて中古ショップに売ったことも何度か)。見つかったら見つかったで交換しに行ったりきちんと梱包して郵送したりする手間が発生するわけです。非常にめんどくさい。目当てのキャラだけを購入させてくれればいいのになんでこんな大変な思いをしなくてはいけないのか。
実際問題どうしてもキャラによって人気のかたよりは出てしまうので、人気キャラを交換してもらうために他キャラを複数個差し出したり、あまり人気のないキャラを引いてしまったために交換相手がなかなか見つからなかったり、そういう事態も起こるわけです。
私だってキャラの顔見て「目当てのキャラじゃなかったー」「交換相手が見つかりづらいキャラを引いてしまったー」とがっかりしたくないですよ。そのキャラが嫌いなわけじゃないし、グッズがほしいと思うほど好きなキャラが登場する作品のキャラなわけで。でも実際そういう気持ちになっちゃうんですよ。聖人君子じゃないから。
トレーディンググッズは売る側の都合
そんな消費者にとっていいことなんて一つもないトレーディンググッズがこんなにも乱発されるのは、売る側にとって都合がいいからでしょう。
前述の通りキャラによって人気に差があるので、消費者が各自好きなキャラを選んで購入できるようにした場合、一部のキャラだけすぐなくなったり逆に余ってしまったりする場合があります。人気の差を見越して生産数を個々に調整するにしても、マーケティングを見誤れば同じことです。
だったら何が出るかわからなくしてしまえば一部のキャラだけ余るということはなくなりますもんね。人気キャラ目当ての人が買っていきますもんね。売った後のことは知ったこっちゃないわけです。
売る側の在庫を抱えるリスクや機会損失のリスクやマーケティングの手間・コストを消費者が全部押し付けられているわけですよ。私も欲しくもないキャラ(ごめん、ほんとごめん、そんな風には思いたくないんだけど)のグッズの交換相手がなかなか見つからず困ったことがありました。
欲しがっている相手を探すのもどのくらい欲しい人がいるのかを予測するのも欲しがっている人のところへ商品を届けるのも売る側の仕事じゃないんですか。なんで購入した人が必死で欲しい人を探さなきゃいけないんですか。
「嫌なら買わなきゃいい」という批判があることは重々承知です。私ももう最近ではとレーティングものには手を出さないようにしています。でも、グッズ自体があまり出ないジャンルだったりそこでしか見られない描きおろし絵があったりしたら買う人を責めることはできません。
「このキャラが好き」という気持ちを利用してリスクやコストを押し付けないでほしい。多少値段が上がったとしても、自分が選んだキャラを買いたい。それだけなのです。