自分なりのこだわりはとても大切です。
誰にでも譲れないものというのはあるでしょう。
でも、時と場合というものがありまして、
そのこだわりが自分にとってマイナスになってしまうことも往々にしてあるものです。
たとえば、私の場合
中高生のころ一時期ものすごく紅茶にはまっていたことがありまして、紅茶の淹れ方やら茶葉の種類やら色々調べたんです。
その中にアイスティー(水出しじゃないやつ)の作り方というのがありまして、
紅茶を通常の2倍の濃さで淹れた後、氷で冷やすんですね。
アイスティーが白く濁るのを防ぎたかった
で、冷やすんですが、
冷やし方にコツがあるらしくてですね、
氷を入れたマグカップにあつあつの紅茶を普通にダバーっと注ぐと、白く濁ってしまう場合があるそうなのです。
(クリームダウンといいます)
これは紅茶の成分が結晶化したものです。
クリームダウンを防ぐには、紅茶をゆっくり冷やすのではなく素早く冷やす必要があります。
つまり、あつあつの紅茶をいきなり氷に注ぐと氷が解けてしまって冷える速度が落ちるので、結晶化しないギリギリまで冷ましてから氷に注げば素早く冷やせるというわけです。
意識低い系
ただ、あれです。この方法には致命的な問題がありまして、
めんどくさいんですよね。
夏の暑い日とか、「あー!冷たいアイスティーが飲みてえー!」というときに、まずホットティーを淹れて、それが適度に冷めるまで待って……なんてやってられませんよ。ねえ。
(水出しの紅茶を冷蔵庫に常備しておけばいいのですが、私が中高生だった当時の我が家の冷蔵庫には水出しの麦茶が入れてあったのでスペースもなく)
こうして、アイスティーの作り方は調べたものの、実際にその方法で作ったのはよっぽど気が乗った時だけでした。
「別に濁っててもアイスティーはおいしい」という境地
ところがある時気付きました。
お店で出すアイスティーなら濁ってたらまずいけど、自分で淹れて自分で飲む分には別に濁っててもいいのでは? と。
クリームダウンで白く濁っても、味に影響は無い(といわれている)し特に身体に害もありません。
味や舌触りが違うという説もありますが、暑いときにがぶ飲みするアイスティーなんてそこまで気にしてないですし。
適当にティーバッグの紅茶を濃い目に淹れて、氷を入れたマグカップに注いでジャカジャカかきまぜて飲んだアイスティーも、普通においしいんですよ。
無用なこだわりで機会を失っていないか
「アイスティー飲みたい……でもめんどくさい……」なんてうだうだしていないで、適当でいいからさっさと淹れて飲めばよかったんです。
別に紅茶を入れる手順を踏むのも楽しくて、面倒な作業も苦にならない人ならいいんですよ。手順を楽しめば。
でも、私のようにそうではない人は、めんどくさくてやめてしまうくらいなら手順にこだわっていないで適当でいいからやればよかったんです。
冷たいアイスティーを飲んで「っはー!アイスティーうめー!」と喜びを感じる機会を、私はこれまでに何回失ったことでしょうか。
人生でアイスティーを飲める回数には限りがあります。大変もったいないことをしました。
無用なこだわりを持つことは、時に大切な機会の損失につながります。
これに気付いてからは、常備してあるお値打ち価格のティーバッグで適当にアイスティーを淹れて飲んでいます。
普通においしいです。
※ちなみに、これを書くにあたってクリームダウンについて少しぐぐってみたところ、タンニンの多い高級な茶葉じゃないと起こらないそうです。
完全に1ミリたりとも余すところなく無駄だったな!私のこだわり!